ハワード・ガードナー著、星三和子訳、誠心書房 1996初版 原著ARTFUL SCRIBBLES;The Significance of Children's Drawings by Howard Gardner 1980
1章 序論 子どもの絵の概観
<一、二世紀前には・・・子ども期そのものが人生の重要な一時期とはかんがえらていなかった>
<幼い絵の魅力に盲目>、<意義の評価に関して近視眼的>、
<美術史の重要な流れと呼応>、
<ミロ、ピカソ、クレーなどの二十世紀の芸術家たちの手になる[子どものような]作品との精神面でのつながり>
<二歳・・・なぐり描きに熱中>
<三歳・・幾何学図形の・・マンダラ模様>
<四、五歳・・対象の表象・・描写>
<小学校低学年・・・最も目を見張らせられる創作物・・自身のライフ・サイクルの追体験>
<同じ順序を追って進歩していくように見える>
<子どもの描画のライフ・サイクルの問題>
<このような作品の起源を探る>
<子どもの作品の美的な地位をめぐる議論>
<ロドルフ・テーファー;1848、幼いミケランジェロと不滅のミケランジェロ>
<シャルル・ボードレール;[近代の画家]の純粋な原形>
<ジャン・デュビュッフェ;子どもの絵の収集、パリのラクガキ>
<パブロ・ピカソ;[かつて私はラファエロのように描いていた。しかし子どものように描くのを身につけるのに、一生涯かかった]>
<アンドレ・マルロー;子どもは芸術的だが、芸術家ではない。なぜなら、その才能が彼を支配しているのであって、彼が才能を支配しているのではないから>
<ナンシー・スミス;アプローチの仕方が違う>
<マリア・モンテッソーリ;嘲笑?>
<パウル・クレー;子どもは芸術について何も知らないということを忘れてはいけない。芸術家には、意識的な形式的構成・・無意識の連想を経ての意図>
<十九世紀後半、ルソー主義者たち;子どもの無垢さに注目>
<子どもの成長に類似した発達への気づき>
<一歳・・紙に印をつけ始める、叩く運動感覚、なぐり描きの黒い線と白い紙面の対照を楽しむ>
<三、四歳・・いくつかの幾何学的な形、パターン・・言語の音声の(発達)のように>
<三、四、五歳・・それとわかる描写を作り出す>、<図形的なストラテジー>、<紙面の空間の可能性>
<子どもの絵に対する標準的なアプローチは、基本的には正確だがあまりにも公平無私すぎる>
<子どもの絵に対するもう一つ別のアプローチ>
<子どもの絵というものの意味>、<感情の状態の単純な反映>、<子どもの無意識的な関心>、<子どもが見たものではなく知っているもの>、<認知的な方向づけ・・知能の尺度として利用>
<生活の一般的な現象の表われ・・秩序を探求する表われ・・コミュニケーションの実例・・社会の型の指標・・大人が失った無垢と生気・・>
<このような善意のことばは、注目を喚起するには役立ったかもしれないが、究極的には反生産的である>
問題・課題は?
《なぜ子どもの絵は特徴的な道筋をたどるのか》
《子どもの絵と他の知的・社会的・情緒的発達等との詳細な関係は何か》
《子どもの絵の美学的な地位とは何か》
<道具の使用>、<基本的な概念や物のクラス>、<奔放な象徴遊び>、
<芸術へのアプローチの仕方は、・・・比ゆ的な言語である>
<飛行機雲に[空の傷跡を見て]四歳児>
<芸術家は[いかに]を知らねばならない>
<才能の問題>
<お父さん、子どもってどうして大きくなると違ったふうに絵を描くようになるの?>
<なぜだと思う?>
<大きくなると違ったふうに見えるんだと思う。物をもっと注意深く見る。それからたくさん考えて、実際に描く前に頭のなかで描く>
以上。ピックアップ・ワード10月5日